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Case Study

ここに紹介しているのは、実際に取り組んできた事例の一部です。
それぞれ異なる課題に対して、
“考えを形にする”という姿勢で常に向き合っています。

Case Study 01. :  大手総合商社(エネルギー領域)

Project Theme:

電力事業参入におけるブランド・アイデンティティの構築

課題

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新たな電力事業への参入をきっかけに、競合他社との差別化を求める中で、
社内では企業としてのメッセージやあり方を見直す必要が生まれていた。
しかし、どうしても内部だけでは数値的な優位性やサービス内容といった
分かりやすい軸にフォーカスしがちで、
ブランドとしての独自性を見出せず、次の一歩を描き切れない状況。
そこで、自分たちだけではアプローチできなかった側面からの考え方を提供する役割として参加しました。

アプローチ

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エネルギーを単なる商材やサービスとしてではなく、
日々の営みや暮らしを支える“活力”として捉え直すところから始めた。
お得感や機能的な優位性といったビジネス的な視点をいったん離れ、
「エネルギーとは、日常にとってどんな関係性にあるのか」を素直に見つめ直した。
自分ごととして考えること、そして納得できる最初の一歩を自らの中に持つこと――
その状態を意図的に作り出すことを目指した。

アウトプット

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エネルギーというテーマを、日常や人の感情と結びつけて語るためのブランド言語を再構築。
ブランドがどのような人に、どんな感覚で届くべきか――ユーザー像と関係性の軸を明確化し、企業としての伝え方や表現の方向性を整理。
社内外で共有できる一貫したトーンとアプローチの基盤を整えた。

具体的アウトプット:Apple Watchアプリ「コトノハ」

 

Apple Watchのセンシング機能を活用し、脈拍の変化をトリガーに

**心を整える言葉が表示されるアプリケーション「コトノハ」**を開発。
自分が発したエネルギーが、自分を整える瞬間と出会うという体験を通して、
企業として、そしてブランドとして、
「エネルギー」と人との真摯な向き合い方をメッセージとして具現化した。

  • ブランド・メッセージ/タグライン定義

  • トーン&マナー方針書

  • キービジュアル・コンセプト提案

  • 体験プロトタイプ「コトノハ」開発

  • ステークホルダー間での共通言語化ドキュメント

結果・気づき

数値や機能を超えた**“存在としての企業像”**が明確になり、
チーム内外で共通の認識と方向性が生まれた。
自分たちが行っている事業を、自分自身の起点から考えること。
その姿勢がアイデア出しやソリューション提案の質を変え、
常に自らのルールや価値基準を意識しながら進める重要性に気づくきっかけとなった。

そして、日常の中で「エネルギー」という存在にふと気づく瞬間――
その感覚こそが、ブランドとして納得できるメッセージの核となった。

Case Study 02. :  医療系スタートアップ(福祉・AI領域)

Project Theme:

AIを活用した歩行支援デバイスのUX設計支援

課題

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AIを活用した、視覚に障がいを持つ方のための歩行支援デバイスを開発。
カメラとAIを搭載したウェアラブル機器が障害物を検知し、
手元の白杖に装着した振動デバイスで危険を知らせる仕組みを構築していた。
しかし、システム開発が進む一方で、UXの観点がまだ十分に検討されていなかった。
デバイスの小型化や感知精度の向上だけでなく、
**「本当に使いやすいのか」「ユーザーにとっての最適とは何か」**というより広い視点での検証が不足しており、プロダクトの“体験としての完成度”が課題となっていた。

アプローチ

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まず、実際のユーザーへのインタビューを行い、
日常の中で感じている課題や不安、そして希望を丁寧に聞き取った。
十分な議論や検討も大切だが、こうしたケースでは、
当事者の本音にどれだけ寄り添えるかが最も重要だと考えた。

一方で、落とし込みの段階に入ると、
ユーザーの声が薄れ、ビジネスや開発の論理が前面に出やすい。
その結果、無意識のうちに「やってあげている」という思考が生まれ、
本来目指すべき“共に考える関係”が損なわれてしまう。
そうした傾向を防ぐため、独りよがりにならないように重ねて注意喚起を行いながら、
常にユーザー視点との往復を繰り返した。

アウトプット

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聞き取り調査を通じて、ユーザーの率直な本音に出会うことができた。
「カッコ悪いものはつけたくない」――その一言が、
デザインの原点を改めて思い出させてくれた。

目が見えないという前提が、その視点を希薄にしてしまう危険があった。
開発は「これくらいなら付けられるだろう」と、
デザイナーは未来的な造形に逃げがちになる。
しかし本質はそこではない。
“あなたはそれを付けますか?”――その問いから出発すること。
健常者と障がい者の線を引かず、
誰にとっても自然で、当たり前に使いたくなるものを目指した。

具体的アウトプット:ヘッドフォン型センシングカメラデバイス

 

“見た目の違和感がなく、社会的にも受け入れられているスタイル”として、
ヘッドフォン型のセンシングカメラデバイスを提案。
機能的要件だけでなく、日常に溶け込む佇まいを重視した。
“似ている”ではなく“ほぼそれに見える”こと――
その落とし込みの努力こそが、機能性と同じくらい重要であると考えた。

結果・気づき

ユーザーの本音と、体験として目指す方向性が明確になったことで、それを基準とした解像度の高い設計プロセスを築くことができた。

「できることの積み上げ」から考えるのではなく、ユーザーにとっての最適解から逆算するという発想へ転換。
その結果、技術やデザインのための開発ではなく、“人のための開発”という明確な筋道を持って進められるようになった。
プロジェクト全体が、迷いのないチャレンジへと昇華していった。

Case Study 03. :  Webサービス・アプリケーション開発会社

Project Theme:

オフィス空間における、テクノロジーを活用したリラックス体験の創出

課題

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社長自身が不動産業界で培ってきた経験をもとに、
テクノロジーを掛け合わせた新しい空間体験を生み出したいという構想からスタートした。
いわゆるIoTのような利便性向上ではなく、
空間と人、そしてテクノロジーの関係を再解釈し、
心地よさや感覚的な豊かさを生み出す試みを模索していた。
しかしその方向性はまだ抽象的で、
どのように形にすれば体験として成立するのかが明確になっていなかった。

アプローチ

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ソニーでの新規事業開発で培った経験をもとに、
既存の価値意識から離れ、新しい感覚を素直に体験へ落とし込む姿勢で取り組んだ。
オフィスやアパートメントといった空間を舞台に、
そこに流れる時間とは異なるリズムや感情を生み出すことを軸に設計を進めた。

日常の延長ではなく、“別の場所で流れるような体験”――
そこに潜む無意識の高揚感を、あえて“あるはずのない場所”に重ねてみるという発想を提案。
空間をただ機能的に整えるのではなく、
人の内面に静かに作用する“もうひとつの時間”を描くことを意図した。

アウトプット

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具体的アウトプット:オフィス空間への展開

(with Another World)

 

職場という緊張感を伴う場所に、オアシスのような一角を設けることを構想。
ユニークな視点で切り出した世界のさまざまなロケーションを、体全体で感じられる空間を提案した。
一枚の棚を基点に、異なる比率のディスプレイを複数配置。
足元、視界の端、目線より高い位置など――通常では意識しない角度や距離感に映像を散りばめ、
一つのシーンをそのまま切り取ったような没入体験をつくり出した。

音もまた、映像と同様に「その場に存在すること」を意識した構成とし、
風の音や雑踏、街のざわめきといった環境音を重ね合わせた。
まるで別の国・別の時間を丸ごと持ち込むようなコンセプトで展開し、
体験をサービスとして成立させた。

具体的アウトプット:居住空間への展開

(with Airport Lounge)

 

多様な価値観が共存する時代において、
一つの場所が一つの意味だけを持つとは限らないという前提から出発した。
埼玉県のアパートメントを実験空間とし、
「空港ラウンジを日常に重ね合わせる」という試みを実施。

旅立ちを前にした緊張感と高揚感、
仕事や生活と向き合う静かな集中――
それらが交錯する空港という特有の情景を、
居住空間という最もプライベートな場所に重ねることで、
日常の中に小さな緊張と高揚を取り戻す体験を提案した。

複数の価値観・時間・感情が同時に存在する空間。
その重なりを通して、日常に新しい感覚のゆらぎをもたらす
「空間の再構築」として具現化した。

結果・気づき

空間を“働く場所”や“住む場所”としてだけではなく、
感情や感覚が変化するメディアとして捉え直す視点が生まれた。

複数の時間や価値観を同時に存在させることで、
日常の中に新しいリズムや感情の起伏が生まれることを確認。
それは利便性や効率とは異なる、
人の内側に作用する体験価値の可能性を示すものだった。

テクノロジーは機能を提供するためのものではなく、
人の感情に静かに触れる“場”をつくるための媒介である――
その気づきが、以後の空間デザインや体験設計の基盤となっていった。

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